卜部東介研究室 |1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|13|14|15|16|17|18|19|20|終わりに

終わりに

 2005年度後期に2002年度と同じ趣旨の講義、幾何学入門(担当 卜部東介、数理科学科2年生中心)を持つことが出来た。シラバスに書いておいた僕の講義のねらいは前とまったく同じ「コンピュータによる数学教育の試みとして、数式処理ソフト Mathematica を用いてさまざまな曲線、曲面を描いてみることとする。幾何学の基本対象である、曲線や曲面には、さまざまなものがあり、興味深いことを理解し、進んだ学習の基礎とする。曲率などの抽象概念がなぜ必要なのかを考察する。」である。このねらいは達成されたものと確信する。
 3年前の学生作品をホームページに纏めてあったので、それを参照させれば十分とも言える楽な講義であった。期末の課題は前と同じ「見て迫力のある曲面を自由に考案し、数式処理ソフト Mathematica でそれを描画せよ」というものにした。登録学生88名中、課題作品提出者は80名弱であった。今回は3年前の経験を踏まえて「犯しやすい3つの誤り」として次の3項目を注意しておいた。

  1. 周期関数に対して、変数の動く範囲の長さを周期と異なる値にしてはいけない。
  2. タンジェント関数、有理関数、対数関数など、代入できない変数の値がある関数に対して、禁じられた値を代入してはいけない。
  3. 変動が異常に激しい関数(例: Sin[10000 x^2])を用いて曲面を描いてはいけない。

 学生の課題提出作品は相変わらず面白い。また、上の3項目が効いたのか、再現描画に異常な時間がかかる作品がかなり減った。インターネットを検索し、みつけた情報をコピーしたものを提出してきたとも思える作品もあるが、疑わしきは罰せずの原則を用いることとした。

2006年2月25日 卜部東介

卜部東介研究室に戻る


ご意見、ご感想をぜひ まで!